抄録
積層セラミックキャパシタ(MLCC)の実材料について、サブマイクロX線回折を用いて電極/誘電体界面と誘電体素子部分の構造を調べた。前回の実験時(2018A1545)よりも試料位置での集光を最適化し、更に高散乱角領域での測定を行うことにより、試料位置でのビームサイズを、前回課題実験時と比較して、縦方向で 1/4、横方向で 1/10 以下の、375 x 387 nm2 の微小領域での粉末回折パターンのマッピングに成功した。その結果、界面近傍で、格子定数の減少及び、BaTiO3 正方晶ドメイン分布の広がりをを発見した。見出された変化は Ni 電極からの応力を受けて、誘電体素子が歪んでいることを示す結果である。