抄録
太さ 400 nm 程度の六角柱形状の GaN ナノワイヤ側面に成長した
Ga1-xInxN/GaN 三重量子井戸に対して、大型放射光施設である SPring-8 のX線ナノビームを用いた回折測定を行うことで、量子井戸からと考えられる明瞭な信号を得ることができた。更に、この信号を解析することで、周期を 13-14 nm、Ga1-xInxN 量子井戸中の In 組成を 24.0 % と見積もった。この結果は、高出力・高効率の GaN 系 LED や GaN 系半導体レーザの発光層として期待されている Ga1-xInxN/GaN 多重量子殻の非破壊構造評価が、X線ナノビームを用いた回折測定により可能であることを示している。