理学療法の科学と研究
Online ISSN : 2758-3864
Print ISSN : 1884-9032
原著
地域在住高齢者に対する週1回の集団体操が身体機能に与える影響
松田 徹高見 知志吉田 晋川間 健之介
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 3 巻 1 号 p. 3_9-3_14

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抄録

 地域在住高齢者に対する週1回の集団体操が長期参加者と新規参加者の身体機能に与える影響を検討した。対象は5年程度継続的に参加している20名(以下,長期群)と,2008年以降新規に加入した10名(以下,新規群)。年2回実施している文部科学省高齢者用新体力テスト結果のうち,長期群は直近の連続2回の測定結果を,新規群は入会時と半年後の2回を分析対象とし,2要因混合計画の分散分析を用いて検討した。新規群では入会後約6ヶ月間で,10m障害物歩行時間,6分間歩行距離で有意な改善を認め,長期群では直近の6ヶ月間で身体機能は維持された。また長期群の平均年齢は新規群より5歳程度高齢だが,開眼片足立ち保持時間以外の5項目について,1回目・2回目ともに新規群と同等か新規群より良好な傾向を認めた。新規群は,入会時の運動機能が比較的低かったことで,週1回の集団体操でも身体機能の改善が得られたと考える。週1回の低~中等度強度の集団体操を長期間継続することで,身体機能は向上する可能性が示唆された。

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© © 2012 一般社団法人 千葉県理学療法士会
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