本研究は, 湖沼環境が改善されない原因の1つに, 湖沼の水に対する社会の関心の変化が関係あるのではないかと考え, 新聞記事を用いて, 過去からの湖沼の水に関する話題の内容を定量化して分析するものである。対象湖沼は霞ケ浦, 琵琶湖, 諏訪湖の3湖沼, 新聞記事はこれらの湖沼が存在する県である茨城県, 滋賀県, 長野県の朝日新聞地方版, 期間は1997年, 2002年, 2007年, 2012年である。新聞記事から, 湖沼の水利用, 水環境に関する記事を効率的に抽出するために, テキストマイニングの手法である形態素解析を用いて, 記事中の語句から水利用, 水環境を表す語句を選び, それらを水環境に関するカテゴリーに分類した。そして記事の中に出現する語句からひとつの記事が水利用, 水環境に関する内容をどれだけ含んでいるかを定量化した。その結果, 対象の3湖沼において年代, 湖沼で記事件数, 内容に変化があること, その湖沼だけに出現する語句があることが分った。また, 3湖沼では水質以外に漁業, 観光・レジャー, 生態系, 湖全体の雰囲気(Atmosphere)などが話題の要素としてあり, 各湖沼で特徴的な社会的関心が存在することが示唆された。