抄録
高分子分散型液晶複合膜(PDLC:polymer dispersed liquid crystal)は建材用および車載用の窓(スマートウィンドウ、調光液晶デバイスなどと呼称)として実用化されており、より高機能化に向けた検討が行われている。このPDLCは多くの場合、光重合による相分離法を用いて作製される。光重合に用いる重合開始剤の種類および添加量がヘーズ(Haze)値および電場応答性に及ぼす影響について調べた。重合開始剤として、アルキルフェノン系の1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニル ケトン(I-1)と2種類のアシルホスフィンオキサイド系化合物(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン オキサイド(I-2)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィン オキサイド(I-3))を用いた。重合開始剤の違いおよび添加量は、初期状態および電場応答時のHaze値に強く影響した。I-3を用いたときに初期状態のHaze値を上昇させた。このI-3に多官能性チオール系架橋剤を併用することで、初期状態のHaze値を少し上昇させ、電場応答時のHaze値およびしきい値電圧を降下させた。