抄録
本研究の目的は、過疎地域における地域リハビリテーションの現状と課題を医師の視点から明らかにし、過疎地域に適した地域リハビリテーションモデルを検討することである。A市B診療所に勤務する医師を含む医療専門職に半構造化面接を実施し、逐語録を内容分析した。分析の結果、34のコード化単位、14の文脈単位を抽出し、最終的に5つのカテゴリーが形成された。【地域医療システムの構造的課題と革新】【専門的評価とサービス提供体制】【多職種協働とコミュニケーション】【患者中心の支援理念】【専門職の資質と地域文化】である。これらを統合する中核概念として『制約を創造的に超越する地域完結型リハビリテーションシステム』が生成された。その中心には「患者中心の意思決定支援」が据えられ、患者の自己決定を尊重しつつ、医師が最終責任を担いながら多職種協働とICTを活用する枠組みが描かれた。本モデルは、過疎地域における制約を単なる限界ではなく革新の契機として活かし、住民の「最後まで地域で暮らす」という願いを支える実践的枠組みを提示するものであり、地域包括ケアの推進に学術的・実践的意義を有すると考えられる。