抄録
冷戦の終焉とともにグローバリゼーションに関する議論が活性化し、1990年代後半からはその両義性に関する認識も深まりつつある。
本稿の目的は、N.ルーマンの世界社会概念を手がかりとしながらその論理を明らかにし、世界社会化の社会文化的な意義を検証することである。まず、世界社会化する過程を領土的な世界社会1と、脱領土的な世界社会2を分析的に区別し、機能システムの縮減形式が自己描写、コミュニケーション連関に浸透する態様を分析する。そして世界社会の論理を多様なものの統一体を構成する「一」と「多」の構成のあり方によって分類する。
脱領土化する世界社会のもとでは、機能システムのオペレーションの徹底化が進んでいる。その問題点と機能システムの効力の限界を指摘し、世界社会2の先にある世界多様性の維持に向けた課題について超領土化、再領土化の観点から考察を行う。