2017 年 45 巻 1 号 p. 41-47
目的:絞扼性腸閉塞は緊急手術を要し,癒着剥離のみで終了する場合と壊死により腸管切除が必要な場合がある。今回,開腹歴のない絞扼性腸閉塞症例において,低侵襲で終わる剥離のみと腸管切除が必要な症例を比較し,腸管切除に至る症例の危険因子を検討した。
対象及び方法:開腹歴のない絞扼性腸閉塞で手術をおこなった32例,(腸管切除なし15例,腸管切除あり17例)を対象とした。検討項目は患者背景因子(年齢,性別,Body Mass Index(以下BMI),既往症),術前因子(白血球数,CRP,Systemic Inflammatory Response Syndrome(以下SIRS)),CT所見,発症から手術までの時間),術後因子(手術時間,在院日数,合併症,腸閉塞の原因)の各項目をretrospectiveに検討した。
結果:腸管切除ありの平均年齢70.3±14歳,男性6例,女性11例,白血球数12782±4527/μl,CRP 2.26(0.03–11) mg/dl,SIRSを満たす症例は4例,手術までの時間は15.8(6–52) 時間であった。腸管切除なしと比較すると,腸管切除ありは女性に多く,白血球数,CRPは高く,発症から手術までの時間は長い結果であった。
結論:開腹歴のない絞扼性腸閉塞において,女性で術前炎症反応が高く,発症から手術までの時間が長い症例は腸管切除の危険性が高いと思われた。