聖マリアンナ医科大学雑誌
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原著
新規の新生児スクリーニング検査に関するアンケート調査報告
小澤 南右田 王介阿部 友嘉北東 功清水 直樹
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2020 年 48 巻 3 号 p. 89-100

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抄録

背景:ライソゾーム病の酵素補充療法は,早期から治療することで最大限の効果が得られるが,病初期の診断が困難である。病初期からの治療開始に向けたライソゾーム病新生児スクリーニング検査の発展が期待されているが,希少疾患であり,コストに関わる社会的検討が待たれている。
方法:2019年1月から11月まで聖マリアンナ医科大学病院と川崎市立多摩病院に1か月健診で来院した小児の親を対象にライソゾーム病新生児スクリーニング検査に対する理解やコスト負担,提供情報や伝達方法に関するアンケート調査を行った。また医療関係者にも同様の質問紙を配布した。
結果:1か月健診に来院した親に計600部,医療関係者に388部配布した。ライソゾーム病新生児スクリーニング検査をよく知っていると答えたものは健診に来院した親で6.3%,医療関係者で21.9%だった。一方,検査を希望すると回答したものは,親で74.3%,医療者では93.6%だった。健診に来院した親・医療者ともに,「妊娠中」に「医師」や「医療スタッフ」から「個別で口頭の説明」や「紙面で説明」を求めるものが多かった。
考察:ライソゾーム病新生児スクリーニングを知らなかったと答える一方で,検査を希望するとした者が多かった。疾患概念や検査目的を理解していると想定される医療関係者で,検査を希望する人が有意に多かった。適切な時期に疾患と検査の意義を紹介していくことが有用と考えられた。

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© 2020 聖マリアンナ医科大学医学会
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