口腔・咽頭科
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原 著
当科における耳下腺腫瘍の臨床統計
石井 裕貴遠藤 周一郎松岡 伴和増山 敬祐
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2010 年 23 巻 2 号 p. 201-206

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抄録

1998年~2008年の10年間に初回治療を行った耳下腺腫瘍172例 (良性138例, 悪性34例) を対象に術前穿刺吸引細胞診の有用性, 治療法, 予後について検討した. 良性腫瘍は多形腺腫とWarthin腫瘍が約95%を占めており術前穿刺吸引細胞診での正診率はそれぞれ94%, 84%であった. 術前穿刺吸引細胞診での耳下腺癌の組織型同定は難しく, 術中迅速病理検査を取り入れることが重要と考えられた. 耳下腺癌はIII期以上の進行症例中15例に拡大耳下腺全摘術を行っており, 神経再建は約7例 (35%) の症例に施行された. 疾患特異的累積生存率はT, リンパ節転移の有無, 病期分類で有意差が認められ, いずれも予後因子として重要であると考えられた.

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© 2010 日本口腔・咽頭科学会
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