口腔・咽頭科
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原 著
淋菌およびクラミジアの咽頭および性器感染: 性感染症クリニック受診者からみた現状
余田 敬子尾上 泰彦西田 超新井 寧子
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2010 年 23 巻 2 号 p. 207-212

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抄録

性感染症クリニックで2005年11月から2009年1月の間に咽頭と性器からの淋菌・クラミジア検査を同日に行った854人の陽性率を検討した. 咽頭における陽性率は, 淋菌が男性14-22%・女性12-14%, クラミジアが男性2-3%・女性6-13%で, 男性のクラミジア陽性率のみ有意に少なかった. 咽頭, 性器別では, 男性の咽頭クラミジア陽性率は性器に比べて有意に少なかった. 有意差はないが, 男性の淋菌, 女性のクラミジアでは性器の陽性率が咽頭より高く, 女性の淋菌では咽頭の陽性率が性器より高かった. 今回の検討で, 男性の咽頭クラミジアを除いて, 性器が陰性で咽頭のみ陽性の淋菌またはクラミジア感染者が少なくないことが確認された.

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© 2010 日本口腔・咽頭科学会
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