抄録
小児では睡眠時無呼吸の重症度が定まっておらず, 当科では局所所見やPolysomnography (PSG) などの結果を総合して手術適応を決めている. 今回, われわれは睡眠時呼吸障害が疑われPSGを施行した15歳未満の103例で局所所見やX線所見, PSG結果につき手術施行群と非施行群で比較し, 手術適応の決定に有用となる項目を検討した.
男児34例, 女児6例の計40例でアデノイド口蓋扁桃摘出術を施行し, うち28例で初診時年齢が4歳から6歳であった. 手術施行例で合併症が多い傾向があり, 滲出性中耳炎やアレルギー疾患, 上気道疾患を多く認めた. 口蓋扁桃肥大やアデノイド増殖が高度であると手術を行う割合は増加したが, 局所所見のみで手術適応の決定はできなかった. 手術施行群と非施行群の間でPSG結果に有意差がみられ, AHIやCT 90%が手術適応に有用であると考えられた.