口腔・咽頭科
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総 説
睡眠医療への新しい展望: メニエール病に対する新たなる治療
中山 明峰濱島 有喜
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2012 年 25 巻 1 号 p. 35-39

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抄録

メニエール病患者は不眠になりがちであることが知られているが, その詳細を追跡した研究はほとんどない. われわれはメニエール病患者にPSG検査を施行した結果, 以下の見解が得られた. 1. 総睡眠時間についてメニエール病群は有意に対照群に比べ, 延長していた. 2. ノンレム睡眠脳波とレム睡眠の比率について, メニエール病群と対照群は有意差がみられなかった. 3. ノンレム睡眠について, Stage 1は両群間に有意差はなく, Stage 2について対照群に比べメニエール病群は有意に高く, そしてStage 3+4について対照群に比べメニエール病群は有意に低かった. 4. 覚醒指数について対照群に比べメニエール病群は有意に高かった. 5. 無呼吸低呼吸指数や周期性四肢運動指数について両群に有意差はみられなかったが, 両群ともに睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害が数例みられた.
これらの睡眠障害の改善によりメニエール病が改善するかどうか追跡中であるが, ここではメニエール病に対する睡眠治療が著明に改善した1例を報告した.

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© 2012 日本口腔・咽頭科学会
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