リュウキュウアユ遡上個体の河川での出現状況を明らかにするため, 1994年春季に奄美大島の川内川と役勝川で流程ごとの定点で調査した。中流域では小型個体 (平均標準体長 : 34mm) が出現し, 平均遡上速度は220m/日と遅かった。中流域での体長, 日齢は, 瀬の数に左右され, 瀬の流速が遡上に影響すると考えられた。中流域から上流域への移行域では大型個体 (73mm) が出現したが, 遡上速度は125-128m/日とさらに遅かった。肥満度, 成長速度は中流域の個体と比較し著しく高いため, 断続的に遡上したと考えられた。