マダカアワビHaliotis madaka の殻表に日周期的に形成される成長線の存在を証明する実験を行った。種苗生産した稚貝をalizarin complexone (ALC) 溶液へ14日間の間隔を空けて2回浸漬した。蛍光顕微鏡による観察の結果, 殻の断面に認められた2重蛍光標識間の平均成長線数は13.7本 (観察個体数21, 標準偏差1.7本) で, 標識間の経過日数と一致した。天然海域への放流再捕個体の成長線の計数から逆算推定した放流時の殻長は, 実測値とほぼ一致した。以上から, マダカアワビ殻表の成長線は日周期的に形成されると結論した。