鹿児島県近海で漁獲された計1,009個体の耳石横断薄層切片をもとに, 本種の年齢と成長を検討した。輪紋 (不透明帯内縁) は年1回, 12~4月に形成され, 主産卵期の1~3月とほぼ同時期であった。誕生日を2月1日と仮定し, von Bertalanffyの成長式を当てはめた結果, 雄の成長はLt = 547.0{1−exp[−0.524 (t + 0.742)]}, 雌はLt = 844.0{1−exp[−0.284 (t + 0.789)]}で表され, 1歳時を除いて雌は雄よりも大きい体サイズを示した。雌雄共に天然魚と放流魚間では成長に有意差はみられず, 観察された雄の最高齢は18歳, 雌は13歳であった。