八重山諸島周辺において集魚灯を用いて採集したゴマアイゴの耳石微細構造を観察した結果,着底時に特徴的な日輪(着底マーク)が形成されることが判った。同様の着底マークはアイゴにも認められた。耳石微細構造を調べた結果,両種の日輪間隔は,着底マーク直後に急激に狭くなった。一方,耳石ストロンチウム-カルシウム比は,種類や年級群に係わらず,着底の 4-5 日前から上昇しはじめた。ゴマアイゴとアイゴで共通した着底直前からの耳石ストロンチウム-カルシウム比の上昇は,両種の成育場環境が大きく異なることからみて,内因性の変化が原因として考えられた。