2009 年 75 巻 2 号 p. 179-190
流れによる浮延縄漁具の 3 次元形状変化を,海亀混獲回避と漁獲効率向上を目的とする中立ブイを装着した場合について調べた。超音波 3 次元水中測位システムと水深計,GPS ブイを用いて漁具各部の 3 次元位置を計測すると同時に,海中の流れを ADCP で計測した。漁具全体の移動方向は流れの抵抗を大きく受ける幹縄の敷設水深の流向と一致した。枝縄のふかれ方向はその敷設水深の流向と一致した。流れが漁具の設置方向に平行な場合,幹縄の弛みは下流側に寄せられた。特に上層と下層で流れの向きが異なる場合,幹縄の形状変化は 3 次元的であった。