日本水産学会誌
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かつお節の品質指標であるエオシン陽性成分の組織化学的性質
吉岡 立仁荻野目 望佐々木 晋一吉田 真和内田 直行
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2009 年 75 巻 2 号 p. 244-249

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抄録

筋細胞内のエオシン陽性成分(EPC)は,かつお節の品質指標になる。本研究ではその組織化学的性質を検討した。EPC はアクチン,ミオシン,LDH,ミオグロビン抗体陽性であり,一本釣原料節では主に筋細胞内に,まき網原料節(KPS)では筋細胞間隙に検出された。ラミニン抗体染色により筋内膜の崩壊が前者に比べ後者で多数観察された。これらの結果は,EPC の主要成分は筋形質及び筋原繊維タンパク質の一部であり,KPS での細胞内 EPC の減少は,筋内膜の崩壊による両タンパク質の細胞外への流出によることを示唆するものであった。

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© 2009 公益社団法人 日本水産学会
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