2009 年 75 巻 2 号 p. 261-263
糖尿病の予防と治療には,インスリンの過剰分泌抑制や感受性の改善が必要である。そこで本研究では,トサカノリ,スサビノリ,クロメのインスリン様作用を比較した。その結果,スサビノリ抽出物が最も強い抑制作用を示し,中でも分子量 1000 以下の画分が強い作用を示した。次に,ラットにグルコース負荷試験を行ったところ,この画分を尾静脈投与した場合と経口投与した場合の両方で,コントロール群に比較して血糖値が有意に低い結果を示した。従って,本研究で得られた成分は経口投与可能な抗糖尿病成分として有効であると考える。