日本水産学会誌
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マクサ栄養体の付着に適した基質
土屋 実穂滝尾 健二安藤 和人川辺 勝俊駒澤 一朗荒川 久幸
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2009 年 75 巻 6 号 p. 1051-1060

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抄録

三宅島の荒廃したテングサ群落の再生を目的として,マクサ栄養体の付着に適した基質を検討した。(1)モルタル,フェンス,ボルト,混紡化学繊維で表面を覆ったボルトを海中に設置したところ,混紡化学繊維で覆ったボルトは,多くのマクサ栄養体を短期間で付着させ,設置一年後でもマクサが優占して着生していた。(2)マクサ栄養体の付着密度は,混紡化学繊維の基質で最も高かった。流水中における栄養体の残存率は,混紡化学繊維の基質で最も高かった。(3)混紡化学繊維へのマクサの付着は,化学繊維紐から突出する単繊維によって生起している。

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© 2009 公益社団法人 日本水産学会
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