三宅島の荒廃したテングサ群落の再生を目的として,マクサ栄養体の付着に適した基質を検討した。(1)モルタル,フェンス,ボルト,混紡化学繊維で表面を覆ったボルトを海中に設置したところ,混紡化学繊維で覆ったボルトは,多くのマクサ栄養体を短期間で付着させ,設置一年後でもマクサが優占して着生していた。(2)マクサ栄養体の付着密度は,混紡化学繊維の基質で最も高かった。流水中における栄養体の残存率は,混紡化学繊維の基質で最も高かった。(3)混紡化学繊維へのマクサの付着は,化学繊維紐から突出する単繊維によって生起している。