抄録
イワシクジラ骨格筋から,硫安分画とカラムクロマトグラフィーによりミオグロビン(Mb)を精製し,諸性状を調べた。25℃, pH 7.0 における自動酸化速度は 0.04 h−1 であった。pH 7.0 における円二色性の温度依存性から本 Mb の折りたたみにおける見かけの自由エネルギーは−12.6 kJ/mol,転移温度は 64.1℃ と算定された。示差走査熱量分析により 81.8℃ で大きな構造変化が起こることが示唆された。本 Mb の構造特性について相同性モデリングによる検討も併せて行った。