2005 年~2011 年の夏季に隠岐島西方海域の水深 200~2000 m で桁網による採集を行い,ベニズワイ雌の深度分布様式と成長を調査した。2005 年に水深 1000 m 以浅と 1700 m 以深にそれぞれ甲幅組成の異なる未成体群が存在し,この 2 群は成長が異なることが示唆された。甲幅組成を分解した結果,未成体 5 齢と成体 2 齢が認められ,最小は第 6 齢と推定された。第 7 齢以降,深い水深ほど各齢期の平均甲幅が小さく,脱皮あたりの成長量が小さい可能性が示唆された他,成熟脱皮の主齢期にも差があることが示唆された。