蓄養サバ流通品を調査した結果,氷蔵 9 h 後でも筋肉の ATP 濃度は高く維持され高品質を示した。そこで,まき網で漁獲されたゴマサバを短期蓄養した場合の品質に与える影響を検討するため,漁獲ストレスの影響とその回復について検証した。生け簀で 20 分間の強制運動をさせた後,72 h 蓄養し,体内代謝変化を測定した。強制運動により血漿コルチゾル濃度や筋肉乳酸濃度は上昇するが,蓄養により低下し,肝臓グリコーゲン濃度も回復した。一方,筋肉 ATP 濃度は,強制運動直後でも高い値を示し,蓄養による変化は認められなかった。