久慈川河口周辺海域のアユ仔稚魚の成育場を解明するため,その分布を調べた。調査は水深 3-18 m 海域で船びき網(袋網目合 2 mm)を用いて行った。アユは主に 11-4 月に河口周辺や砂浜海岸沖の 10-12 m 以浅海域で採集され,砂浜海岸の砕波帯直近沖合から出現し始めた。アユは発育に伴い同海域の浅場から深場に分布を拡げ,早生まれ個体ほど早く分布を拡げる傾向を示した。成育場は海岸線と河口近くの 10 m 以浅に広がっていた。仔魚が成育場に加入する場として砂浜海岸砕波帯直近沖合が重要と考えられた。