日本水産学会誌
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日本および韓国沿岸におけるキタムラサキウニの遺伝的集団構造とその形成過程
南 阮植菅野 愛美渡邉 雅人池田 実木島 明博
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2014 年 80 巻 5 号 p. 726-740

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抄録

キタムラサキウニの集団構造を明らかにするため,マイクロサテライト DNA マーカーおよび mtDNA シーケンス分析による集団遺伝学的解析を行った。その結果,本種の地域全体における遺伝的分化の程度は極めて低く(Grobal FST; msDNA=0.0018, mtDNA=0.029),明確な地理的分化を示さなかった。また mtDNA の Tajima's D は有意な負の値を示し,本種は数千年から 1 万年程度というごく近い過去にボトルネックによる集団の縮小とその後の急激な拡大を経験していることが示唆された。

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© 2014 公益社団法人 日本水産学会
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