日本水産学会誌
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スジアラ種苗生産で見られた成長差の発現時期と遺伝的影響
武部 孝行宇治 督尾崎 照遵奥澤 公一山田 秀秋小林 真人浅見 公雄佐藤 琢照屋 和久阪倉 良孝
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2015 年 81 巻 1 号 p. 52-61

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抄録
自然産卵で得られたスジアラ受精卵を用いて飼育を行い,その種苗の耳石日輪紋を観察し,成長過程と成長差の発現時期を調査した。また,マイクロサテライトマーカーで親子判別を行い,成長差発現への遺伝的影響について検討した。50 日齢に採集した稚魚を全長によって 3 グループに分け,耳石径から全長を逆算推定した結果,成長差は餌料系列の転換時期に発現することが明らかになり,仔魚から稚魚に変態が完了することによって助長された。また,3 グループ間での家系の出現頻度に差は検出されず,遺伝的影響は小さいことが示唆された。
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© 2015 公益社団法人 日本水産学会
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