日本水産学会誌
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ウナギ仔魚はマリンスノーの起源物質を摂取する
友田 努黒木 洋明岡内 正典鴨志田 正晃今泉 均神保 忠雄野村 和晴古板 博文田中 秀樹
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2015 年 81 巻 4 号 p. 715-721

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抄録

マリンスノーの供給源となる可能性のある餌料生物を培養し,それらの産生物質を含んだ培養水について,ふ化後 5-28 日齢ウナギ仔魚に対する給与効果を観察した。微細藻類 4 種を用いた事例では,10-28 日齢仔魚が藻体とともに増殖過程で産出される透明細胞外重合体粒子(TEP)を摂取することを確認した。一方,尾虫類を用いた事例においても,9 日齢仔魚が発生段階初期の幼生と放棄ハウスを摂取することを確認した。これにより,飼育条件下の人工仔魚が天然仔魚と同様にマリンスノーの起源物質を摂取することを追認できた。

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© 2015 公益社団法人 日本水産学会
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