2017 年 83 巻 4 号 p. 607-615
2014年に房総半島沖で捕獲したツチクジラの食用赤肉の一般成分,無機質,脂肪酸組成を測定し,遊離アミノ酸,イミダゾールジペプチドを分析した。一般成分・脂肪酸組成に雌雄による差はなく,オレイン酸が主な脂肪酸であった。無機質のCa, Zn, Mn,遊離アミノ酸のAsp, Ser, Glu, Met, Hisはオスにメスよりも有意に多かった。バレニンは乾物100 g当りオスに3170 mg,メスに2980 mg検出された。メタノール抽出液の抗酸化性,ACE阻害活性に雌雄による差はなく,他の畜肉に比べて低かった。