日本水産学会誌
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スジエビPalaemon paucidensの2タイプを判別するためのDNAマーカーおよび日本における2タイプの分布
張 成年今井 正池田 実槇 宗市郎大貫 貴清武藤 文人野原 健司古澤 千春七里 浩志渾川 直子浦垣 直子川村 顕子市川 竜也潮田 健太郎樋口 正仁手賀 太郎児玉 晃治伊藤 雅浩市村 政樹松崎 浩二平澤 桂戸倉 渓太中畑 勝見児玉 紗希江箱山 洋矢田 崇丹羽 健太郎長井 敏柳本 卓斎藤 和敬中屋 光裕丸山 智朗
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2018 年 84 巻 4 号 p. 674-681

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抄録

 スジエビには遺伝的に異なる2タイプ(AとB)が知られているが,簡便に判別できるマーカーがない。18S rDNAの塩基配列に基づき,これら2タイプを判別するマルチプレックスPCRアッセイを考案した。日本における本種の分布範囲を網羅する152地点で採集した422個体を分析したところ,各タイプ特有の断片を併せ持つ個体,すなわちヘテロ型は観察されず,AとBタイプは生殖隔離しているものと考えられた。両タイプとも全国的に分布するがAタイプは河川及び湖沼に分布する一方,Bタイプは河川のみで見られた。

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© 2018 公益社団法人 日本水産学会
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