2024 年 90 巻 6 号 p. 539-547
タイムラプスカメラを用いて兵庫県瀬戸内海域における養殖ワカメの育苗期の食害実態を調べた。ウマヅラハギ,クロダイ,ニジギンポ,メジナが出現し,ウマヅラハギとクロダイがワカメ幼胞子体を多く摂食していたため,この2種が食害の原因種と考えられた。考案したプラスチック製の防除カゴを用いて種枠を保護したところ,カゴに収容した種枠では幼胞子体が本養殖用種苗サイズまで生長したが,収容しなかった種枠では食害により本養殖用種苗サイズまで生長しなかった。このことから,実用性のある食害防除カゴを開発することができた。