論文ID: 17-00036
アコヤガイ貝殻真珠層の結晶層一層の厚さ(結晶層厚)の遺伝を明らかにするため,2系統の親集団を左殻内面真珠層の色で赤,緑およびそれ以外の3グループに選抜して9家系の次代を生産し,親と子世代における結晶層厚を計測した。また,9家系中2家系および別の4家系の合計6家系における結晶層厚と殻高を継時的に調査した。両親と子世代の平均結晶層厚には強い相関関係が認められたことから,結晶層厚は遺伝形質である可能性が高いと考えられた。一方,各家系の平均結晶層厚は,貝の成長に伴い一定の割合で薄くなることが示唆された。