抄録
カタクチイワシ本州太平洋系群の1978∿1994年級の再生産関係を検討した。親の量は太平洋岸の潮岬以東の観測された産卵量, 子の量は子世代が生涯産んだ推定産卵量とした。子の量は潮岬以東の産卵量を過去の研究から推定した体重1gあたりの年間産卵量と年別成魚漁獲量の比率で分割して求めた。その再生産関係は1989年級を境に異なった。1978∿1988年級群では親の量は低水準で年々の親と子の量はほぼ同量であったが, 1990∿1994年級では親の量は高水準で年々の親と子の量の関係は大きく変動した。