底曳漁獲量からみたマダラの濃密な分布は, 太平洋では北海道の襟裳岬以東の海域, 北海道恵山沖および三陸沖の3つの海域にみられ, 日本海では, 青森・秋田県沖および山形県沖の2つの海域にみられた。月別1曳網当り漁獲量を用いて因子分析を行った結果, 襟裳岬以東海域, 北海道恵山沖および三陸沖の魚群はそれぞれ異なる変動傾向を示す魚群であった。また脊椎骨数の解析から, 襟裳以東海域は他海域より脊椎骨数が有意に多いことが分った。これらの結果と産卵場の知見を考慮すると, 太平洋側海域には襟裳岬以東群, 陸奥湾・恵山沖群および三陸沖群の3つの系群が存在すると結論された。