日本海水学会誌
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ポリビニルアルコールによる表面コーティングがポリアミド系複合逆浸透膜の溶質除去率に与える影響
田中 良平勇 有弥鈴木 祐麻新苗 正和
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2017 年 71 巻 2 号 p. 71-77

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抄録
本研究の目的は,ポリビニルアルコール(PVA)コーティングによる表面親水化がポリアミド系複合RO膜による塩化物イオンおよびホウ酸の除去率に与える影響を検討することである.PVA水溶液をろ過することで市販のRO膜(ESPA2膜)の表面をPVAでコーティングし,さらにPVAをグルタルアルデヒドで架橋することによりPVA-ESPA2膜を作製した.ESPA2膜およびPVA-ESPA2膜を用いてろ過実験を行った結果,PVA-ESPA2膜の水透過性は39 %低下した.しかし,PVAのコーティングの有無に関わらず,同じ水流束で比較すればPVA-ESPA2膜はESPA2膜とほぼ同じ溶質除去率を示した.つまり,PVAコーティングはこれらの溶質の除去率に影響を与えないことが分かった.
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© 2017 日本海水学会
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