抄録
エアロゾル粒子をその質量に応じて分級することができるエアロゾル粒子質量分析器(APM)を開発した。APMは分級後の粒子を計数する装置と組み合わせることにより、粒子質量分布の測定の目的で使用することができる。APMの開発によって、質量分析器や天秤といった従来の質量測定技術がカバーしない質量範囲の一部を測定できるようになった。また、エアロゾル粒子の密度、空孔率、フラクタル次元、質量濃度などエアロゾル粒子の様々な特性を評価する新しい技術の開発が進んだ。この論文では、エアロゾル粒子の質量測定の意義、APMと他のエアロゾル粒子分級装置との原理の違い、APMの製品化までの道のり等について、構成学の観点から述べる。