大気汚染学会誌
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高速液体クロマトグラフィーによる大気浮遊粉じん中の発がん性ニトロアレーンの分析
田辺 潔松下 秀鶴郭 錦堂今宮 俊一郎
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1986 年 21 巻 6 号 p. 535-544

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抄録
大気浮遊粉じん中の発癌性ニトロアレーンの高感度分析法を開発した。この方法は, 超音波抽出法, 液々分配'順相高速液体クロマトグラフィー (順相HPLC), Na SHによる還元および螢光光度計付逆相HPLCからなり立っている。6種のニトロアレーンの検出下限は, 1, 6ージニトロピレン (1, 6-DNP) では1Pg, 1ーニトロピレン (1-NP), 1, 3-DNP, 1, 8-DNPでは2P9, 2-ニトロフルオレン (2-NF) では4Pgおよび3一エトロフルオランテン (3-NFR) では40Pgであった。
本法を東京の大気浮遊粉じんに適用した結果, 5種のニトロアレーンを検出した。その濃度範囲は1-NPでは14.8~134P9/m3, 1, 6-DNPでは0.33~8.74Pg/m3, 1, 8-DNPではND~6.58Pg/m3, 1, 3-DNPではND~4.66Pg/m3および2-NFではND-27.2Pg/m3であった。
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