胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
症例報告
高度の嚢胞状変性のため閉塞性黄疸を来した胆管細胞癌の1例
木村 公一古川 善也〓田 幸央花ノ木 睦巳坂野 文香久留島 仁松本 能里山本 昌弘宇都宮 徹藤原 恵
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 22 巻 4 号 p. 551-557

詳細
抄録
症例は57歳, 女性. 掻痒感を主訴に近医を受診した. CTで巨大肝嚢胞による閉塞性黄疸が疑われ, 当科に紹介入院した. 血液生化学検査ではビリルビン値, 肝胆道系酵素の上昇を認めた. CT, エコーで肝S4に約12cmの肝内胆管を圧排する嚢胞性病変を認め, 末梢胆管は拡張していた. 嚢胞壁に明らかな肥厚は認めなかった. ERCで, 嚢胞性病変の胆管圧排による閉塞性黄疸と考えられたが, 内視鏡的経鼻胆管ドレナージでは減黄不良のため, 経皮的嚢胞ドレナージを施行したところ, 褐色調の壊死物を混じた内容物が流出し, 嚢胞の縮小とともに黄疸は軽快した. ドレナージ液の細胞診で7度目にclass Vを認め, 典型的ではないが嚢胞腺癌を疑い拡大肝左葉切除術を施行した. 病理組織学的には高分化腺癌で, 嚢胞形成性胆管細胞癌と診断した. 肝嚢胞との鑑別が困難な壊死を伴う嚢胞形成性胆管細胞癌は稀であり, 臨床上注意すべき症例と考えられた.
著者関連情報
© 2008 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top