抄録
症例は73歳, 女性. 腹部違和感を主訴に来院. 造影CTで胆嚢頚部に20mm大の結石と壁肥厚を認め, 肝門部から右肝内グリソン鞘にかけ軽度造影効果を伴う低濃度腫瘤が認められた. 同腫瘤と胆嚢壁肥厚部はMRIT1強調像で低信号, T2, 拡散強調像で高信号を示し, ERCで上部胆管から右肝管にかけスムースな狭窄を認めた. 以上より完全に悪性疾患は否定できないが, 胆石胆嚢炎で胆嚢頚部の炎症が肝門部に波及したMirizzi症候群と診断した. しかし入院後25日目に閉塞性黄疸を認め, ERC, CT所見で上部胆管から左肝管起始部, 右は前後区域枝分岐部まで胆管狭窄は強く拡がり, 肝門部に浸潤する胆嚢癌と診断し, 肝右葉切除術を施行した. 病理組織検査では線維化の強い組織球主体の炎症を認め, 黄色肉芽腫性胆嚢炎と診断された. 2次分枝レベルまでの広範な肝内グリソン鞘への炎症を伴い, 進行胆嚢癌との鑑別に難渋した黄色肉芽腫性胆嚢炎の1例を経験したので報告した.