胆道
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日本胆道学会認定指導医養成講座
胆石の種類と成因
正田 純一
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2013 年 27 巻 4 号 p. 672-679

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抄録

胆石は胆嚢あるいは胆管の胆道内に生じた固形物である.胆石はその存在部位と構成成分により,背景病態や生成の機序が異なる.胆石はその主要成分により,コレステロール胆石,色素胆石(ビリルビンカルシウム石と黒色石),稀な胆石に分類される(日本消化器病学会胆石症検討委員会1986年).日本人の胆石症の頻度・種類は欧米並となり,胆嚢結石ではコレステロール胆石が約70%程度を占めるようになり,また,黒色石が増加している.胆石の成因は胆石の種類により異なるが,それらの形成機序は,胆石主要構成成分の胆汁における過剰排泄,それに伴う結晶化による析出,さらに,胆道系における結晶の迅速な成長からなる.成因の理解のためには胆汁の生成,分泌,濃縮の生理学の知識も必要となる.本稿では,胆石症診療ガイドライン(2009年)における「胆石症の病態と疫学」の内容に触れながら解説をおこないたい.

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© 2013 日本胆道学会
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