2016 年 30 巻 4 号 p. 667-672
【目的】急性胆嚢炎に対するPTGBD後の腹腔鏡下胆摘術(以下LC)を安全に行うために,PTGBD後LC63例を対象として,その手術難易度の評価を行った.【結果】術前CRP最高値20mg/dl以上やCRP値低下までに長期間を要するもの,USでの胆嚢動脈血流Vmax値(以下Vmax値)30cm/秒以上,CTでの胆嚢壁厚5mm以上,術前PTGBD造影での胆嚢管閉塞,発症からPTGBD挿入までの時間が24時間以上,PTGBD後手術まで14日以上では術中出血量が多かった.【まとめ】急性胆嚢炎において術前の血清CRP値,胆嚢動脈血流Vmax値,PTGBD前のCTにおける胆嚢頚部壁厚,PTGBD造影の胆嚢管閉塞の有無が手術難易度の評価に有用で,発症後24時間以内にPTGBDを行い,14日以上経過してから手術を行うことが,術中出血量の軽減につながると考えられた.