2017 年 31 巻 1 号 p. 62-68
Roux-en-Y(R-Y)再建腸管後胆管結石症39例のバルーン小腸内視鏡の治療成績について検証した.使用スコープは,SBE(シングルバルーン小腸内視鏡)9例,short DBE(ダブルバルーン小腸内視鏡)7例,short SBE23例であった.乳頭到達率は85%,スコープ別ではSBE 56%,short DBE 71%,short SBE 100%であった.処置完遂率は74%,スコープ別ではSBE 33%,short DBE 71%,short SBE 91%であった.早期偶発症は15%(軽症膵炎2,軽症胆管炎3,誤嚥性肺炎1)あったが,保存的加療で改善した.R-Y再建後腸管胆管結石症の治療において,short SBEは,高い乳頭到達率,処置完遂率であり,有用と考えられた.