胆道
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症例報告
胆管プラスチックステント留置後に出血をきたし開腹手術となった1例
室屋 大輔石川 博人小嶋 聡生新井 相一郎名嘉眞 陽平川原 隆一久下 亨牛島 知之安元 真希子石田 祐介岡部 義信奥田 康司
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キーワード: hemobilia, cholangitis, plastic stent
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2018 年 32 巻 2 号 p. 284-289

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抄録

症例は85歳,男性,胃癌に対する幽門側胃切除術後Billrott-II法再建例.総胆管結石による急性胆管炎に対して内視鏡的に両端pig-tail型の胆管ステントを留置したが,5日後の結石除去を目的とした内視鏡的処置の際に乳頭からの出血をみとめ,胆道出血と診断した.責任血管の同定ならびに塞栓目的にて腹部血管造影を施行したが,出血部位は同定できず,なおも貧血および胆管炎が進行するため開腹手術となった.医原性胆道出血の原因としては,経皮的胆道ドレナージ(PTBD)が多いが,内視鏡的胆道ステント留置後の出血例は報告が少ない.内視鏡的に胆管プラスチックステント留置後に胆道出血をきたし,経カテーテル的には止血が困難であり,開腹手術となった1例を経験したので報告する.

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© 2018 日本胆道学会
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