2019 年 33 巻 1 号 p. 134-139
症例は81歳,男性.総胆管結石に伴う胆管炎に対して施行されたERCP検査で遠位胆管に狭窄を認め,胆管生検は上皮内癌(BilIN-3)であった.CT検査では遠位胆管に全周性の造影効果を伴う壁肥厚を認め,右肝動脈と胆管の交差部まで胆管壁の造影効果を認めた.遠位胆管癌の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.摘出標本では遠位胆管に白色調隆起性病変を認めた.病理組織学的には,粘膜内では杯細胞を伴う管状構造,腫瘍浸潤部で豊富な細胞外粘液をもつ小胞巣状の腫瘍細胞を認め,粘液癌成分が優勢であったため,遠位胆管原発の胆管粘液癌と診断した.また広範に高度神経周囲浸潤を伴っていた.本症例は広範な神経周囲浸潤を特徴とする遠位胆管原発粘液癌であった.