2019 年 33 巻 2 号 p. 244-249
症例は60歳代女性.健診の腹部超音波で胆管拡張を指摘された.腹部造影CT及びMRCPで肝外胆管に18mm大の嚢状拡張を認め,戸谷Ic型先天性胆道拡張症と診断した.ERCPは同意がえられず,膵・胆管合流異常は確認できなかった.術中胆道造影でリアルタイムに乳頭括約筋運動を観察して膵・胆管合流異常と診断し,左右肝管合流部直下から膵管合流部直上までの肝外胆管を切除した.特に膵側胆管の切離は術中胆道造影で位置確認を繰り返して行い,膵管を損傷することなく,十分な切除を行いえた.近年の画像技術の進歩に伴い,合流異常の診断に胆道直接造影が不要な症例もあるが,本症例は乳頭括約筋作用が膵・胆管合流部直下の共通管初部まで及んでいたため,術中胆道造影ではじめて確定診断しえた.また,膵側胆管を可能な限り残さずかつ安全に切除するために,術中造影で確認しつつ膵内より剥離し切離ラインを決定する方法が有用であった.