胆嚢癌の発生頻度は世界的に減少傾向であるが,未だに不幸な転帰をとる症例は後を絶たない.胆嚢癌の危険因子には民族性,地域性,性別,胆嚢結石,感染,肥満,膵・胆管合流異常,胆嚢腺筋腫症,喫煙,化学物質,赤唐辛子,重金属,などが報告されてきた.顕著な地域差は民族性や食生活,生活環境などの複合した結果かもしれない.胆嚢結石が最も強い危険因子であるが,胆嚢結石の大きさや病歴持続時間だけでなく胆汁中コレステロール生成と関連する酵素,いわゆる倹約遺伝子の多型といった遺伝的背景が関連している可能性もある.今後,複数の危険因子を有する患者における予防的腹腔鏡下胆嚢摘出術の意義については更なる研究の蓄積が必要である.