2020 年 34 巻 4 号 p. 718-724
姉は71歳時に腹痛を主訴に受診した.急性胆嚢炎と診断し開腹胆嚢摘出術を行った.摘出した胆嚢において,胆嚢管の硬結は結石ではなく,腫瘤であった.腫瘤の術中迅速凍結病理診断にて低分化腺癌と診断し,肝外胆管切除,リンパ節郭清を追加した.14歳年下の弟は73歳時に腹痛を主訴に受診した.CTで胆嚢管から総胆管にかけて造影効果を伴う腫瘤を認めた.亜全胃温存膵頭十二指腸切除を行い,最終病理診断は胆嚢管原発の乳頭腺癌であった.姉弟には悪性腫瘍の家族歴や印刷業勤務歴はなかった.稀な胆道癌の同胞内発症例であるが,家族内集積とする因子の同定には至らなかった.