2022 年 36 巻 4 号 p. 509-514
症例は77歳の男性.当院を受診する12カ月前に急性胆管炎を発症し,CTで遠位胆管末端の隆起を認めた.ERCPで内視鏡的乳頭括約筋切開術を行って胆管プラスチックステントを留置した.遠位胆管末端の隆起には病理学的な悪性所見を認めなかった.約3カ月毎にERCPを行い,胆管ステントの交換と遠位胆管末端の隆起部からの生検を行っていたが,患者本人の希望で当院受診の約1カ月前に胆管ステントを抜去し,精査目的で当院へ紹介となった.造影CTとMRCPでは遠位胆管末端に長径10mmの隆起を認め,EUSでは遠位胆管末端の隆起は経時的に形態変化をする様子が観察された.これらの所見から,腫瘍ではなくPapillary foldsと判断し,Papillary foldsの突出を伴う胆道型乳頭括約筋機能不全と診断した.胆管ステントの留置をしない状態で経過をみているが,血中肝胆道系酵素上昇や黄疸の出現なく経過している.