抄録
【目的】胆管非拡張型膵・胆管合流異常の診断におけるIDUSの有用性について明らかにすること.【対象及び方法】1996年より経験した32例を対象とし,診断方法,診断方法別共通管長及び径,IDUSのOddi氏筋描出能について検討した.【結果】ERCPで診断可能であったのは23例(71.9%)で,ERCPでは判定困難でIDUSにより十二指腸壁外合流であると診断に至った例が9例(28.1%)であった.胆嚢癌の2例,胆管癌の2例はIDUSのビデオを再検討して判明した症例であった.IDUS診断例ではERCP診断例に比し有意に共通管が短く細かった.IDUS施行20例中15例(75.0%)ではOddi氏筋が合流部では存在せず,より乳頭側で出現する所見を捉えることにより合流異常と診断可能であった.【結語】ERCPだけでは合流異常と確診できない症例が存在する.このような症例においてIDUSは非常に有用であった.