胆道
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術式はどのように決めるのか?
梛野 正人
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2007 年 21 巻 4 号 p. 584-590

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抄録
癌に対する手術の基本は, 癌を露出させないよう十分なsurgical marginをとって切除することにある.肝門部胆管癌では腫瘍の進展範囲から根治的切除に必要な術式を想定し,肝機能からみてその術式が妥当かどうかを判断することになる.放射線治療や化学療法には全くエビデンスはないので,まず,何とか切除できないか?を考える.術式は尾状葉(S1)切除を伴う右葉,左葉,右三区域,左三区域切除のいずれかが基本である.それほど高齢ではなく肝機能がよければ,十分なsurgical marginが得られる術式(大きくとる術式)にする.Bismuth I・II型癌は肝門部胆管切除などの小さい手術でも切除できるように見えるが,結節型や浸潤型では肝右葉+尾状葉切除を選択すべきである.門脈浸潤例に対する積極的切除の意義は十分あるが,肝動脈切除については更なる検討が必要である.
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